『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-3

■5月25日(木):
早朝4時半に鳥の鳴き声で起床。徐々に明るくなりコテージのデッキで空想ラジオ体操をして、メールチェック。
朝食集合時間の7時に間に合うようにコテージを出たら、お客さんと出会い一緒にレストランに向かいました。
道中では、敷地内で飼っているダチョウに威嚇され、放し飼いされているシマウマに出くわしました。
シマウマさん達は人間慣れしているようで近づいても、逃げません。少し癒されました。
美味しい朝食後は、ミッションのアンゴラブラックの丁場確認です。モックアップに使用している黒手とNGとしている薄手の割肌見本と、購入を進めている丁場での割肌面との比較が最大の焦点となります。
8時30分にいざ出陣。目的の丁場まで約120km、約2時間半の車移動です。丁場までの景色もお楽しみ下さい。『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-3◆11時20分位に目的のアンゴラブラック丁場に到着し、トイレ休憩後に丁場に向かい、丁場確認作業開始です。

アンゴラブラック :
丁場は、アンゴラ南西部ウィラ州ルバンゴから南に約120kmに位置します。現地では3号丁場の名称です。
後ほど紹介しますが、アンゴラ産黒御影はモカンガの名称で1964年からと扱っていますが、今回紹介のアンゴラブラックは別丁場からの産出との情報なので、2016年にアンゴラブラックとして扱い始めました。
粗目(目合いが大きい)で深みのある黒ミカゲで品質が安定していることが幸いして、扱い開始から人気で数多くの工事(小工事から大型工事まで)に採用されています。しかし産地がアンゴラなので丁場確認を躊躇していましたが、昨年5月にお客さんの要望で丁場確認する機会を与えられたことになりました。
世界的に人気があり、特に中国への出荷が多く、供給以上に需要があるため検品後は即出荷なので丁場での在庫は少ない状況が続いています。
この丁場自体は2017年開始との説明でしたが、ポルトガル人が丁場オーナーで、丁場責任者もポルトガル人なので、ワイヤーソーを主体にした採掘方法だったので凄く安心しました。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-3 ◆丁場を全体的に案内し、数量的には安定した品質を調達可能であると認識して頂き、焦点のモックアップに使用している黒手が現状の丁場で採掘されているのか? この工事の数量を確保できるのか? などの確認検査となります。
モックアップの仕上(本磨き/水磨き/JP)と丁場の石調確認する場合は、私はモックアップ材から割肌面を作成し、丁場の割肌面と割肌面同士で比較します。無事に合格です。参考に原石との比較は原石からコッパを採取し、その割肌面の目合いと色調をします。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-3
◆丁場確認と原石検査が無事に終了したので昼食タイムです。丁場オーナーの好意で丁場事務所での昼食をご馳走になりました。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-3
◆せっかく遠いアンゴラまで来たので、後学のため薄手のアンゴラブラック丁場2か所を視察しました。
先ほど確認した濃手の丁場から約120km(車で約2時間半)離れていました。同じエリアならともかく、120kmも離れていて、目合いや色調も違うからアンゴラ産のブラックには違いないが、同じアンゴラブラックを名乗っていることに違和感を感じるほどの距離です。
・2号丁場 :
ポルトガル人がオーナーですが採掘方法は中国式の大口径採掘+ワイヤーソーの併用採掘。採掘開始は2014年。
需要に対し、採掘量が多過ぎるのか丁場には膨大な原石がありました。色調は明らかに薄手です。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-3 ・4号丁場 :
2号丁場とは約5km。オーナーは中国人です。採掘方法は中国式の大口径採掘+ワイヤーソーの併用採掘です。
採掘開始は2012年。この丁場も需要よりも採掘量が多過ぎるのか丁場には膨大な原石がありました。色調は薄手。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-3 ◆丁場視察を終了し、その後に3号丁場の検品済み原石を集めてコンテナに積み込むヤードを視察しました。広い敷地に大型クレーンが設置されていた。コンテナ自体は数多く並んでいましたが、積込み待ちの原石は少なく、丁場からトレーラーで運び込まれた原石は直ぐにコンテナに積み込まれ出荷されている状態です。それだけ売れているのでしょう。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-3
◆原石調達 丁場オーナー主催の夕食に招待して頂きました。丁場オーナー御用達のポルトガル料理レストランです。
自身の原石を東京の中心のビルに採用されるのと、遠路はるばる遠く離れた日本から自身の丁場に訪れ、熱心に見てくれたお礼との事です。やはり、大型工事の場合は、いつ頃に、どんな場所に、どんな風に(パースが説得力ある)、どれだけの数量を使用するのかを丁場に訪問して、顔を合わせて丁場オーナーと丁場責任者と原石検品者に説明する事が重要だと再認識しました。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-3 ★少し休憩です。アンゴラのカラスを紹介します。アンゴラのカラスもツートンカラーでした。参考に丁場紀行で今迄に紹介したツートンカラーカラスに再登場してもらいました。どれが一番カッコ良いと思いますか?私はインドのカラスが凛々しく感じます。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-3

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