『丁場紀行』イラン丁場紀行 2018年11月出張編 No.16-2

 

■11月9日(金): 午前中は本社で仕事して、午後から最終準備し、大垣➡名古屋➡東京➡成田に移動です。

最初のこの乗換含めた5時間の移動が疲れるのです。

成田空港でチェックインし、初めて訪問するイラン出張のミッションの遂行と無事に帰国できるように祈願し、社長とビールで乾杯。

その後、搭乗しました。経由地のドバイ(アラブ首長国連邦)まで11時間のフライトです。

 

 

■11月10日(土): ほぼ定刻の早朝5時にドバイ到着。

ドバイ空港は2018年6月のブラジル出張時の乗継地だったのでテヘラン便のゲートにはスムーズに行けました。

ゲート確認後、2時間程あるので空港内をプラプラ散歩していました。

さすが世界のハブ空港です。早朝から多くの人々がいたる所で次の搭乗を待っており、また店も開いているのが驚きでした。

残念ながら空港内の写真は1枚も写していません。なんやかんやしているうちにテヘラン行きの便に搭乗しました。

テヘランまで1時間50分のフライトでしたが、多分、いつものように寝ていたと思います。いよいよイラン入国です。

現在、日本人旅行者は15日以内の観光目的の滞在であれば事前のビザ取得は不要(ただしパスポートの残存有効期間が6ヶ月必要)ですが、

当時はビザ取得が必要でした。当時のビザ取得を詳しく説明します。

 

◆当時、空路でイランに観光目的で入国する場合は、2通りの取得方法がありました。

 ❶事前に日本で取得する。

 ❷テヘラン到着後にテヘラン空港でアライバルビザを取得する。

 

❶の場合は❷より安価ですが、取得に2週間ほど要します。

時には3週間ほど要する場合があるとの事なので、パスポートを預けたままになってしまうため、我々は❷のアライバルビザを選択しました。

では、我々が取得したアライバルビザ取得の手順を説明します。 所要時間は約1時間半でした。

 

① イラン(テヘラン空港)入国前のビザ申請窓口でビザ申請フォームに記入します。申請用紙は入国カウンターの前にあるビザセンターでもらいます。
 *記入内容は、自分の名前、父親の名前、パスポートナンバー、職業、イランでの宿泊ホテル名、住所、電話番号。

②申請用紙に記入後、ビザ費用(EUR.60 or USD.70)を支払います。

③ 次の窓口で保険料(EUR.14 or USD.18)を支払います。 〔強制加入ですがどれだけ効力があるのか不明です。〕

④その後、次の窓口で顔写真を写したような???

⑤アライバルビザ申請完了し、書類を受取って終了です。

⑥受取った書類を持ってイミグレーションに向かいます。特に質問もなく入国できました。

 

*イミグレーションでは担当者から『日本のサッカーチームが来てテヘランで試合をするが応援に来たのか?』と聞かれたので、

ややこしいから『ハイそうです。』と答えたら『イランが勝つと思うよ!!』。

ますますややこしいので『お互いに応援を頑張りましょう。』で終わらせました。

 

★通常の国であれば、パスポートにビザのハンコと入国出国のスタンプを押しますが、そのスタンプを紹介しようと古いパスポートを調べましたが、

何回ページをめくっても影も形もありませんでした。

調べてみたらイランでは入国時も出国時もスタンプを押さないそうです。不思議な国ですね。

 

◆ようやくイミグレーションを突破し、荷物を引き取り、出口を出たら我々の出迎えらしき人はいません。

アッチコッチ探してもいません。携帯電話もつながりません。

来ることを信じて待つこと30分、ようやく現れました。着陸からかなり時間が経っても出てこないので、

彼は彼で私に電話してもつながらず、長時間駐車ができないために、いったん空港から離れて戻ってきたそうでした。

何はともあれ合流できてひと安心でした。

 

◆案内のMさんの車(トヨタSUV)に乗り込み、宿泊地のザンジャーンまで約330km(車で約4時間)の移動開始です。
高速通路で市街地を抜けると小山、土壌ばかりの同じ景色の連続。

変化のない景色なので常時ウトウトしていました。


途中のサービスエリアでトイレ休憩し、何を食べて何を飲んだのか覚えていませんが、カーペット敷の小部屋で休憩しました。
またまた同じ景色をひた走り、17時頃にホテルに到着しました。

外壁は石種不明のライムストーンとレッドトラヴァーチンです。エントランス前で靡いている旗は巨大なイラン国旗と小さな友好国数本でした。

また内部に入ると壁、床はレッドトラヴァーチン、テーブルはイエロートラヴァーチン
良く見ると色も柄もバラバラですが、それなりにまとまって見えるのが海外施工例のアルアルなのです。

チェックイン後にシャワーし、準備してもらったWi-Fiを利用し、メールチェックしてからホテル内で素朴な田舎料理を食べました。

 

『丁場紀行』イラン丁場紀行 2018年11月出張編 No.16-2

 

 

■11月11日(日): 早朝5時半起床、メールをチェックし、朝食後に最初の丁場であるチタニウムトラヴァーチン丁場へ約200km(車で約3時間)の移動です。

ザンジャーン市街を抜けると草木の少ない土漠地帯(砂でなく土の荒野なので『砂漠』でなく『土漠』と表現します。)が延々と続きます。

たまに見える草原は『小麦畑』ですが、目に入る景色は土、土、土、土・・・・です。

チタニウムトラヴァーチンの丁場に近づくと辺りは雪景色です。雪山峠を抜けると、もうすぐ到着です。

 

『丁場紀行』イラン丁場紀行 2018年11月出張編 No.16-2

 

 

チタニウムトラヴァーチン : 以前からイラン産でブラウン系のトラヴァーチンが存在すると知っていましたが、

取扱い石種として登録するのは丁場確認後と思い、丁場視察をリクエストした石種です。

当時は、小高い丘の頂上付近の上段と下段の2ピットで採掘しており、色目をブラウンtypeと少し淡いtypeで区分していたので、

トライアル発注でブラウンtype 3個(約17M3)を丁場で選出、エスファハーンの原石ヤードで1個選出しました。

検品で注意したのは、層に沿ってのクサレ柄(艶が乗らない柄)、白柄、割れそうな柄の有無です。

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②   BZトラヴァーチン : 次の目的のオーカートラヴァーチンの丁場までに、ベージュ系の丁場が2か所あるとの話なので、参考に視察しました。

ライトベージュ系のトラヴァーチンです。遠方から見ると小山の裾野を採掘しているような印象でした。

3段のベンチカットで採掘していて見た目は良いのですが、実際は上の2段は締まりが悪く、3段目の原石には、部分的な黒シミ及び部分的な巣穴への黄色混入、さらに原石毎で色柄のパターンが大きく変化するため、日本では受け入れられないと判断しました。『丁場紀行』イラン丁場紀行 2018年11月出張編 No.16-2

 

 

③    TSトラヴァーチン : 参考に視察したもう一つのクリーム系トラヴァーチンです。この丁場も小山の裾野を採掘していました。

ここは2段のベンチカットで採掘しており、色調はクリーム色で見た目は綺麗に見えますが、

全体的に巣穴が多く、更に巣穴に黄色混入、また部分的に茶色オニックスが混入するため、日本では受け入れられないと判断しました。

『丁場紀行』イラン丁場紀行 2018年11月出張編 No.16-2

 

 

④ オーカートラヴァーチン : 視察を予定していた現地名コーヒートラヴァーチンの丁場を視察しました。

入口から細長く採掘しており、5m程の表土の下の層(H=8mで上部3~4mは使用不可)を採掘しています。

更に1段下がれば、もっと締まった層があると思いました。丁場で良材あったが整形中であり、

良材はエスファハーンの原石ヤードに移動しているとの説明だったので、14日にエスファハーンの原石ヤードで3個(約21M3)を検品しトライアル発注しました。

原石入荷時に色調を見て『オーカートラヴァーチン(オーカー=黄土色)』と改名しました。

『丁場紀行』イラン丁場紀行 2018年11月出張編 No.16-2

 

 

◆TAKAB地区のトラヴァーチンの丁場視察が無事に終了し、今夜の宿泊地タブリーズ(TABRIZ)まで約300km(車で約5時間)のドライブです。

丁場から少し走ると再び雪景色の連続。何の変化のない景色に飽き飽きしていたら、リフトが見えてきました。

数キロ離れた採掘場で採掘された鉛鉱石をリフトで運んでいるそうです。ウトウトしている内にホテルに到着しました。

『丁場紀行』イラン丁場紀行 2018年11月出張編 No.16-2

 

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