『丁場紀行』トルコ丁場紀行:後編 No.6-3

トルコ石種紹介はこれで終了です。
石ばかりでは飽きてきますよね。さすがに私も飽き飽きしてきたのでトルコ料理観光地紹介に進みます。

その前に・・・・・笑い話を一つ紹介します。
トルコ出張はイスタンブールに入国し、翌朝から丁場廻り(日本一周みたいな感じ)が始まります。地方から地方への航路がないので、車で移動か一旦空路でイスタンブールに戻り、翌朝に空路で地方空港へ移動、到着後に車で丁場へ移動。
夜明けにホテル出発し、夜遅くホテルに戻る繰り返し。本当に疲労との戦いですが、イスタンブールでは案内する業者の近くのアジア側の小さなホテルを定宿にしていました。何年前か忘れましたが、ある朝に朝食を食べていたら、後頭部に血の滲んた大きいガーゼを貼っている若者が数人現れて、私を見て笑顔で親指立てて『おはよう。グッドラック。』って言うので、一緒に居た業者は大爆笑。『何が面白いのか?彼らは私に何を言いたいのか?』って尋ねたら真相が分かりました。業者の説明では『トルコ人は若ハゲが多く、イスタンブールで自毛植毛施術のクリニックが多くなり、最近になりこのホテルが植毛治療クリニックの指定ホテルになった、ガーゼを貼った若者は三木さんが日本からの植毛治療患者と思い仲間意識が生まれたのだろう。どう?次回は検品と治療に来たら?』と言いうので『俺はこのままで良い。』と反論。
後日調べるとイスタンブールには植毛施術を行うクリニックが300ヶ所以上あり植毛先進国だそうで、コロナ流行前には海外から毎月5,000人以上が植毛治療にトルコ訪問しているそうです。相場は植毛範囲によりますが約50万円だそうです。私は手遅れですが興味のある方は御自身で調べて下さい。3月に『いしだ壱成』がトルコでこの植毛手術を受けたようです。

◆トルコ料理 : 
フランス料理、中華料理と並び、世界三大料理の一つである『トルコ料理』ですが、何故トルコ料理が世界三大料理なんやろ? と思う方が大多数だと思います。もちろん私もその一人です。現地料理をさんざん食べている私が一番不思議に思ったかもしれません。
私なりに調べました。一時的に料理研究家になった気持ちで解説してみます。

まず初めに、世界三大料理=世界で最も人気のある3つの料理、というわけではありません。
諸説ありますが、フランス料理・中華料理・トルコ料理の3つが世界三大料理とされている理由には、歴史が深く関わっています。3つの料理の共通点は、広大な領土を持つ大帝国の宮廷料理として食されてきた料理です。
それぞれの国は、交易の中心地や通り道となっており、そのために各国から色々な素材(食材)、香辛料、料理法等が伝わりやすい利点が多くありました。食通の皇帝や王侯貴族が領土内の各地域・各民族の料理法を融合し、珍しい食材を集め、召し抱えた料理人達に腕を競わせた結果、多彩で豪華な料理文化が発展し、そうして発展した料理は、いつしか他の国々に広まり。他国の礎となったとも言われています。

この『世界三大料理』はかなり昔に、主に欧州の料理研究家などによって定義されたと言われています。
その選定基準は・・・・
❶宮廷料理として発展した。 ❷王朝や帝国の長い歴史がある。 ❸多種多様なスパイスを使用。 ❹国土が広く食材が豊富だった。 ❺貿易が盛んで、他国からも食材を入手しやすかった。 ❻文化の中心地で、他国への影響力も大きかった。 ❼食に対しての関心が高かった。
現在の世界的な知名度や評価、私たちの感覚とは必ずしも一致しないところがあるのも事実ですね。

肝心の『トルコ料理』についてですが、トルコには14世紀頃、オスマン帝国という巨大な帝国がありました。
オスマン帝国はあまりにも強力で、一時期は東ヨーロッパ、アラビア、北アフリカなど広大な領地を支配していた。
トルコは西側に地中海、北側には黒海、南側は北アフリカ、東側は中東やアジア圏に繋がっています。陸路でも海路でも東西を行き来するにはトルコを経由するため、古くから東西の珍しい食材が沢山集まった場所であり、特にシルクロードは東洋と西洋を繋ぐ中央アジアを横断する交易路です。一般的には中国の長安(現在の西安)からローマ周辺までと言われています。コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)は、シルクロード交易の通過地点であったため、中国の豊富な食材や香辛料が運ばれました。これもトルコ料理が世界三大料理になったことのきかっけになっています。
フランス料理、中華料理との大きな違いは、宗教上(イスラム教)の理由で、豚肉を使った料理はありません。
解説はこれまでとして、トルコ料理を写真で紹介します。なかには料理名不明の写真もありますがご了承願います。
『丁場紀行』トルコ丁場紀行:後編 No.6-3
◆トルコ観光 : 
親愛なるトルコの観光地を観光大使に任命された気持ちで気合を入れて御案内します。
19回もトルコ出張していますが、目的は丁場視察なのでカッパドキア、トロイの木馬等の有名な観光地は近くを車で通ったが寄ることは叶いませんでした。次回に、次回にと繰り返しているうちに行けずじまいです。
今は『チャンスがあった時には寄るべき。次回のチャンスはないと思え!!』とつくづく後悔しています。
ただ、数年前にお客さんを丁場に案内した時の予備日が空いたのでお客さんの要望でイスタンブール地区を観光したことがあり、それが今回に役立つとは思いませんでした。

ネットでトルコ観光地を検索すると『ベスト20』を紹介していました。
①トプカプ宮殿 : 世界遺産 イスタンブール歴史地区を構成する建築物 : 視察した
②ブルーモスク(スルタンアフメト・ジャーミィ) : 世界遺産 イスタンブール歴史地区を構成する建築物 : 視察した
③アヤソフィア大聖堂 : 世界遺産 イスタンブール歴史地区を構成する建築物 : 視察した
④地下宮殿(イェレバタン・サライ) : 世界遺産 イスタンブール歴史地区を構成する建築物 : 視察した
⑤グランドバザール : 世界で一番大きく、最も古い市場(バザール) : 視察した
⑥カッパドキア : 世界遺産 自然遺産と文化遺産を兼ね備ている : 近くを通りましたが、残念ながら行けていません
⑦エフェソス遺跡 : 世界遺産 : 行けていません
⑧トロイの木馬 : トロイの木馬を含めたトロイ遺跡が世界遺産 : 近くを通りましたが、残念ながら行けていません
⑨パムッカレの石灰棚とヒエラポリス遺跡群 : 世界遺産 : 丁場に近くだったので寄れました
⑩コンヤの町 : 視察× : コンヤ市内のホテルで寝ただけの滞在でした
⑪ボスボラス海峡クルーズ : 聞こえは良いですが乗合船で2時間程のクルーズです。お勧めです。: 乗りました
⑫スレイマニ・モスク : 世界遺産 イスタンブール歴史地区を構成する建築物 : 視察した
⑬ドルマバフチェ宮殿 : 視察した
⑭イスタンブール考古学博物館 : 行けていません
⑮ベルガモン遺跡・ベルガマ : 行けていません
⑯ハットゥシャ遺跡 : 行けていません
⑰サフランボル市街 : 世界遺産 : この地区のホテルで宿泊しました。
⑱アンカラ : トルコの首都 : 32年前の初めてのトルコ訪問時に1泊だけ宿泊し、ハマム(トルコ風呂)に入りました
⑲イズミール : エーゲ海最大の港町 : 視察は宿泊時に散歩程度です。
⑳アンタルヤ : 地中海地方最大のリゾート町 : バイサベージュ検品時に宿泊しただけです。

◆視察した観光地を順次簡略に案内しますが、観光ガイド用の写真は殆ど無いので、詳しくは御自身で調べて下さい。

まずは、石屋の観点からですが、イスタンブールの歴史的建造物の外壁は、ヨーロッパ側のイスタンブールから産出する『KUFEKI キュフェキ』というライムストーンとマルマラ島から産出されるストリアートオリンピコ(前編で紹介)が使用されている場合が多いです。キュフェキは不思議なライムストーンで産出時、加工時は柔らかいのですが、外気にさらされるとセメントのように硬くなる性質があり、何百年も前の建築物の外壁も現存しています。
ストリアートオリンピコも同様で、外部 壁/床、内部 壁/床に使用されていますが風化していません。尚,両石種とも現在も採掘しています。行った先では石屋の本能で『石』ばかり見てました。
『丁場紀行』トルコ丁場紀行:後編 No.6-3
トプカプ宮殿 : 
世界遺産 イスタンブール歴史地区を構成する建築物
1465~1478年にかけてメフメット2世によって居城として建造されました。1856年に居住をドルマバフチェ宮殿に移るまでの約370年間、歴代スルタン(君主)の居城、オスマントルコ帝国の中心地として、広く帝国の威光を示し続けてきました。名前の由来は、大砲(トプ)門(カプ)のある宮殿。1924年以降は博物館として、当時のスルタンの権力の誇示する宝物が数多く展示しています。 石材の加工が凝っています。約560年前は手加工と思うが・・・必見の価値あり。
『丁場紀行』トルコ丁場紀行:後編 No.6-3
ブルーモスク(スルタンアフメト・ジャーミィ) : 
世界遺産 イスタンブール歴史地区を構成する建築物
アヤソフィアに対峙するように建つ巨大なイスラム教モスク。1609~1616年にかけてスルタン・アフメット1世によって
建造された。優雅なドームと半ドーム、それに6本のミナレット(尖塔)が美しい調和を見せている。6本のミナレットを持つモスクは世界で唯一。外壁はキュフェキ、内部はストリアートオリンピコの柄無しタイプと美しい青色のイズミックタイルで飾られている。ブルーモスクを呼ばれるようになった理由でもある。内部床は一面に美しいカーペットが敷かれている。
内部の巨大な石柱を触りながら加工方法などを思い巡らしていたら、警備員から『触るな!』と注意されました。
『丁場紀行』トルコ丁場紀行:後編 No.6-3

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