『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3

ニュー603 : 
丁場は、武漢から北東に約100kmに位置します。小高い山の上部を採掘しています。
一般的に新603や湖北603と呼ばれる石種です。山全体は大きく、10社以上が、その山のアッチコッチで、採掘しています。今回はその採掘業者の中でも大手業者の丁場を視察しました。ただ、滞在時間が40分なのでバタバタと視察した感じです。丁場の天場が平目で平目を使用します。『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3 ・その日の夕食 : 
成都空港到着後、荷物をピックアップ出来たのは22時過ぎ。街に出ても、ホテルに向かってもレストランは何処も閉まっているため、空港内で麺(米麺)と水餃子で簡単に済ませました。そこそこの味でした。
『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3
■5月29日(金): 
今日は5時前に起床し、成都空港に向かい、空港内で軽い朝食し、飛行機で四川省 攀枝花空港に向かいました。
ぺルラアズーラの丁場主の息子が迎えに来てくれましたが、その車がなんと『ポルシェ パナメーラ』でした。高級車で来てくれたのは感謝ですが、3人が乗り込む時に問題が発生。スーツケースがトランクに入らないのです。だからトランクには手荷物だけを入れて、スーツケースは各自の膝の上に置いてどうにかこうにか乗れました。
ギュウギュウ状態で、若者だから猛スピード、ショックが硬く跳ねまくりで約30分爆走し、ペルラアズーラ丁場主の事務所に到着したました。(普通のワゴンの方がよっぽど良かった。)事務所でお茶の飲みながら、スケジュール確認してから、今度はピックアップトラックに乗り換え、悪路を2期間揺られて丁場に到着しました。『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3ペルラアズーラ : 
丁場は、攀枝花から北東に約120kmに位置します。小高い山の上部を採掘しています。
現地名はピンファーラン(氷花藍)で、日本内でもこの名称で流通しています。青味のある石種で日本に紹介された当初は流行りましたが、丁場が一時的に閉鎖となりました。2015年になり『再開された。』と情報が入ったので、丁場視察することになりました。
近年の中国の御影石丁場は丁場用大口径で採掘が主流ですが、この丁場は、石の部分が狭く、キズが多いので、ドリルと発破で崩しながら、1個1個整形しながら採掘していました。よって原石は小さいのです。『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3レオパードイエロー : 
丁場は、攀枝花から北東に約120kmに位置します。小高い山の上部を採掘しています。
ペルラアズーラ丁場視察時に『近くに別の丁場もあるよ。三木さん達は丁場が好きそうなので、見に行きますか?』と言われたので、意地でも断れないので訪問することになりました。
丁場は大きく、色調も安定しており、少し変わった柄(レオパード柄)なので扱うことにしました。採掘は、丁場用大口径とワイヤーソーを併用しているので、ガングソーサイズも採掘可能です。
『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3 ・その日の昼食 : 
丁場視察終了後、攀枝花まで約2時間かけて戻り、攀枝花で遅めの昼食を食べました。
何を食べたか写真は残っていますが、記憶に残っているのは、辛くて汗だくになった事だけです。
『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3 ・その日の夕食 : 
昼食後に工場視察し、打合せ後に西昌に車で移動し、18時35分の飛行機で成都に移動。その後に夕食。午後21時頃なので、レストランを探すのに一苦労。ようやく見つけた店で軽めの夕食をしました。
この時点で疲労困憊で、食事よりもホテルの部屋でゆっくりと湯に浸かり、ゆったりしたかったのですが栄養摂取の目的で食べに行きました。毎回、料理と一緒に一味唐辛子が付いてきます。これが辛い!!
『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3
■5月30日(土): 
会社は休みですが、我々は夜中の3時起床で最終の丁場視察に出発です。3時間程しか寝ていませんが・・・・
4時前にホテルに出迎えに来た車は、なんと、かなり古いピックアップトラックです。丁場まで約6~7時間と聞いていたので、悪い予感がしたのですが、悪い予感が的中。その悪い予感は後で説明しますが、1時間程走った場所で朝食です。朝食と言っても、地元民が食べる肉まんとお粥さんだけでした。
『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3過酷だったの説明 : 
丁場は、成都から東に約300kmに位置します。標高2,500mの山の上部を採掘しています。
『悪い予感的中』の話ですが、今日の丁場視察が『一番過酷だった丁場視察』になります。
朝食後に丁場関係者2人が合流。車2台で丁場に向かうのだと思っていたら、なんとこの2人も一緒に乗って行くと言う。前に2人、後部に4人乗るとの事だがどう考えても、このギュウギュウ状態で丁場まで工事中道路(2008年5月の四川大地震時に被害のあった道路を工事している)のガタガタ道を4時間以上は無理と訴えたら、車を追加すると思いきや、結局は、後部は我々3人、助手席に2人、運転者1人の計6人乗りで向かうことになりました。中国人の逞しさには恐れ入りました。
ここからが過酷な視察の始まりです。この状態で雨の中の工事中のガタガタ道を5時間掛けて走り、ようやく丁場にある山の麓に辿り着きました。この時点で疲労困憊です。ガタガタ山道を少し走ると急にストップ、皆が騒ぐので、どうしたのかと車を降りると山道が崖崩れで塞がれています。
車では行けない状況なので、皆でどうするかの会議が始まりました。案内者が頂上付近の丁場責任者に確認した状況では、崖崩れはここだけでなく数ヶ所発生している。歩いて行けば1時間以上かかる。
案内者と張総経理は『非常に危険な状況。山頂付近の丁場に歩いて向かうか諦めるかは三木さんと仲野さんが決めて下さい。我々はその判断に従います。』との事。仲野さんと究極の判断の開始です。
仲野さんは『三木さんに一任する。』との意見、私の意見は『ホテルから6時間掛けてここまで着いたが、雨の中、再度いつ崖崩れが発生するか分からない状態の山道を歩いて登るのは、命がけで危険過ぎる。
死んだらお悔みの一つ位はくれるだろうが、反対に怪我で済んだらボロカスやろうな。命を掛けてまでこの丁場を視察するのは止めよう。中止して引き返そう。』と判断して、案内者に伝えていたら雨が止み青空が広がって来ました。結局は天気が味方してくれたと受入れ、決死の覚悟で歩き始めました。
右側は今にも崩れそうな壁、左側は落ちたら死にそうな谷。巾4m程の山道を壁と谷底を交互に見ながら、歩けど歩けど到着しません。1時間程との話は現地作業員の足での時間で、結局は2時間歩いて、標高2500mの丁場小屋付近に無事到着しました。到着した時の達成感と山頂付近からの景色は登山者の気持ちを少しだけ理解出来た感じでした。でも空気が薄くて息苦しい~~~~!!
『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3ティンバーグリーン : 
丁場は、成都から東に約300kmの標高約2500mの山頂付近に位置します。
名称の如く、景色の如く、森林のような深緑色の石種です。石質的にJPは掛からず、仕上は、本磨き、水磨き、特にレザーが綺麗な仕上りになります。
山キズが多い丁場ですが、ワイヤーソーで大切りし、バックフォーで倒し、それをワイヤーソーで整形している。よってサイズは小さい原石です。丁場は稼働しており、緑系ではお勧めの石種です。
『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3・その日の昼食 : 
丁場視察終了後、1時間程戻った村の食堂で軽めの昼食を食べました。
何を食べたか写真は残っていますが、記憶には残っておません。写真では素朴で美味しそうな料理です。
『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3・最後の晩餐 : 
通常、ティンバーグリーンの丁場オーナーは政府関係者と食事はするが、販売先とは食事をしない主義だそうだが、今夜は丁場視察ご苦労様の意味合いで食事に誘われました。時間がないとの話なのでシャワーも浴びず、着替えもせず、ビーチサンダルをひっかけて、指定レストランに向かいました。着いてビックリです。成都で有名なお店。
何と場違いな・・・・・・・。店に入ると丁場オーナーは40歳半ばの女性、その横にはお金持ちそうな男性。
夫婦でなく、パートナーとの紹介。なんかお金持ちカップルの夕食デートにお邪魔した感じでした。
食事途中で丁場オーナーは本音を言いましたが、丁場責任者から崖崩れが発生していると連絡があり、諦めて帰ると思っていたが、崖崩れを乗り越え2時間も歩いて丁場を視察した物好きな日本人に会ってみたかったそうです。
上品な店で、上品な料理を作業服にビーチサンダルで食べるという、最後の晩餐を楽しみました。
『丁場紀行』中国丁場紀行:過酷編 No.7-3 過酷な体験までした超ハードな出張が終了しました。ホテルに戻り、老体に鞭打って写真整理とメール処理をしてから寝ようとしましたが疲れすぎて、なかなか寝れなかったのを覚えています。そして翌日に成都→青島→関空で帰国しました。
今回の出張では広大な中国を体感し、中国の方々にお世話になり、自身の勉強になり、こうして皆さんに紹介する事も出来ました。
各地で食べた中国料理を写真を沢山紹介しましたが、非常に現地の中国料理が恋しくなりました
なんやかんや書いているうちに、今回も長くなってしまいました。次回は『ブラジル丁場?』、『フィリピン丁場?』・・・何処を紹介するか悩んでいます。4か月後の配信をお楽しみにして下さい。 長い時間読んで頂きありがとうございました。

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