『丁場紀行』ギリシャ丁場紀行 2023年5月出張編 No.10-3
バルカンホワイト丁場視察後に道中のハチミツ屋でお土産のハチミツを購入し、フェリー乗り場に移動し、フェリーでカヴァラ港に移動。フェリー内ではアイスクリームを昼食代りに食べました。行きもガラガラなので当然帰りもガラガラです。
カヴァラ港に到着後に今夜の宿泊地のドラマ地区に約1時間掛けて移動しました。
ドラマ地区の定宿は6年程前にタバコの葉を乾燥する工場を大改修したホテルです。大きくはないのですがアットホーム的な落ち着いた雰囲気でホテル内にはワインバーもあり、ホテル前には湧き水の池があり、湧き水の小川が流れる公園もあり、疲れを癒せます。現在の私の中では世界で一番のお気に入りホテルです。
夕食はシャワー浴びて、公園の脇を歩いて5分のステーキ屋さんです。ドラマ地区で宿泊する時は必ずこのレストランに行きます。お薦めはフィレステーキの焼き具合はレアです。店の名前はギリシャ語で『フィレ屋』だそうで、レストランのお勧めは勿論フィレステーキなのです。
■5月11日(木):
9時半出発なのでゆっくり寝るつもりでしたが、習慣で5時に起床。メールチェック、写真整理しても朝食まで時間があるのでホテル前の公園をブラブラと散歩しました。このホテルの朝食はヨーグルトが美味しいのですが写真撮るのを忘れていました。
チェックアウトし、アヤックス丁場のあるボラカス村に向かいました。
❺アヤックス :
丁場はドラマ市中心から約15km(車で約40分)のボラカス村に位置します。
白地に薄グレーラインが斜めに流れる石種で、現状ではギリシャ産 白大理石の中で我が国での使用量が一番多い石種です。
ボラカス近郊には同様の色柄を採掘している丁場が3丁場有り、当社が扱っているのは一番大きい丁場から採掘された石です。
現地名はアヤックスと呼ばず、ボラカスホワイトです。何故かと言えば、本家本元のアヤックス(当時はアジャックス)が約60km離れた地区で採掘されていて(現在は閉鎖)その石種名を使用しないからです。日本側は本家に似ているこのボラカスホワイトを代替に使用し始め、現在に至っています。当初のボラカスホワイトの原石は仕上り面を横流れで採掘していたのですが、現在は日本側の要望、世界的な要望で、仕上り面が斜め流れになるように原石を採掘しています。
*丁場の柄は、正面が横流れ(平行orやや斜め流れ)、側面(両サイド)が45度に近い斜め流れです。
ここの丁場は1995年頃から採掘開始し、10年程前からの中国業者の爆買いにより、丁場は大きくなり過ぎて、階段掘りが限界に近づき(現時点は22段)、需要に対応するために、18~22段のトンネル掘りを数年前から始めています。
設備も大型石材用チェーンソーを数多く導入していました。
内部に入ると、アッと驚くような大空間が広がっています。5年前の視察時よりもはるかに広く掘り進んでいました。まるで地底都市を建設しているような光景です。その一角にカフェスペースまで作っていました。
*ここのボラカスホワイトの丁場は、大理石丁場で1社が採掘している石種では、世界で2番目の規模と生産量です。ちなみに、世界で1番は、次回の丁場紀行で紹介するギリシャ産レイアホワイトの丁場です。
*本家本元のオリジナル アヤックスは、写真のように白地に薄いグレー/藤色が流れるのが特徴でした。
13時に丁場視察終了し、アテネまで約650km、7時間のドライブです。お腹が空いたのでドライブインで軽い昼食を食べました。
その後は高速道路で平均150kmで順調に走っていたら、突然スピードダウンです。レーダー探知機の餌食になってしまいました。Bさんはパトカーに連行され何やら笑顔で交渉しています。興味本位で近づき交渉内容と違反スピード、罰金を尋ねました。
『日本人のお客とドラマで仕事し、アテネに戻っているがお客が疲れているので出来るだけ早くアテネに着きたいがため・・』と説明してたが元気そうな私が現れたのでその説明も水の泡。でも格闘家のような体格の優しい女性のお巡りさんは気持ちだけおまけしてくれたそうです。
結果は、154kmで捕まり、罰金35€との事。何キロオーバーか説明してくれたが複雑な説明で理解出来なかったです。14kmオーバーかな??アテネのホテルに着いたのが20時。チェックインし夕食はホテル内のレストラン。ビールとフライドポテトと野菜のチーズ焼きを食べました。
■5月12日(金):
今朝も5時起床。結局毎日 毎晩メール処理、写真整理、毎朝5時起床しメール処理でした。出張中は労働時間が長く疲労困憊。
美味しい朝食(巨大なマッシュルームと生絞りオレンジジュースが美味)を食べて、まずはホワイトペンテリコン丁場に出発。道中で今までにない光景が数ヶ所ありました。それは建材店での山積みの材木です。聞けばエネルギー費用の高騰で、暖炉用の薪の需要が大きく伸びたとの事でした。