『丁場紀行』ヨーロッパ丁場紀行 前編 No.19-2

【第2回】マロンブラウン丁場とクレママルフィル視察

 

■12月17日(水)

 

昨夜は夕食後23時半頃にホテルに戻り、翌朝の準備をしたらバタンキューでした。でも、朝は5過ぎに目覚めてしまいます。

 

今日の予定は、マロンブラウン丁場視察とマロンブラウン30厚本磨きスラブ2コンテナの検品です。

 

◆マロンブラウン

 

今回視察した丁場はアリカンテ州 カウデテ市(CAUDETE)近郊で、アリカンテから約80kmに位置します。

 

視察時のマロンブラウン丁場は、CAUDETE地区、YECLA地区、JUMILLA地区の3地区で採掘していましたが、発注しているスラブの丁場がCAUDETE地区産なので、CAUDETE地区の丁場を視察しました。

 

焦げ茶色の代表格で、様々な建物に使用されてきているので、今さらこの石種の特徴を案内するのも面白くないため、この場では、ほとんど知られていないウンチクを紹介します。

 

この地区のブラウン系大理石は採掘開始当初、スペイン国内のみで販売され、使用されていました。

 

スペインでは色と地名からMarron Bunyol(マロンブニョール)と呼ばれていました。日本ではマロン エンペラドールライトと呼ばれている大理石です。

 

1960年代初期にBermarmol社がこの石の輸出事業を開始しました。

 

輸出開始に際して、当時大変人気のあったフランス産の名前を参考に最初に考えたのがMarron Napoleon(マロン ナポレオン)でした。

 

しかし、同じ Napoleon(ナポレオン)では良くないだろうという事で、Napoleonは皇帝(Emperador)だから Marron Emperador(マロンエンペラドール)と名付けて輸出したのが始まりです。

 

その後、もっと茶色の濃い JUMILLA地区(1993年頃)、YECLA地区(1970年頃)、CAUDETE地区(1998年頃)を産地とするエンペラドールダーク(当社ではマロンブラウン)の輸出が始まり、その際にはスペイン語で帝国を意味する Imperial から Marron Imperial と名付けられました。

 

よってスペインでの本名は Marron Imperial になります。

 

すなわち、この地区で最初に産出されたのがマロンエンペラドール(日本ではエンペラドールライト)で、その後に産出された茶色の濃い石をマロン エンペラドール ダーク(エンペラドールダーク)と名付けて、エンペラドールライトと区別されたのです。

 

このような由来があるため、扱う業者により色々な名称〔マロンインペリアル、エンペラドールダーク、エンペラドールオスクーロ(スクーロは濃いという意味)、マロンブラウン(当社名)、マロンブラウンダークなど〕で呼ばれています。

 

『丁場紀行』ヨーロッパ丁場紀行 前編 No.19-2

 

◆参考にマロンブラウンのウンチクに登場したオリジナル名 マロンブニョール(別名エンペラドールライト or マロンエンペラドール)の見本画像、スラブ画像、丁場画像を紹介します。

 

一時期、ライトブラウン系で流通しましたが、トルコ産のトルコエンペラドールライト(当社名: マロンライト)が流通し始めてから、世界的に需要はかなり減少しています。

 

『丁場紀行』ヨーロッパ丁場紀行 前編 No.19-2

 

◆丁場視察後にスラブ工場へ移動です。

 

その道中で地元民御用達のパエリア屋で昼食を取ることになりました。店内に入ると、まず案内されたのが直火で料理中のパエリアです。

 

注文は『野菜中心の軽めの料理と、一押しのパエリア』でお任せしました。全てが美味しかったです。

 

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◆マロンブラウン30厚本磨きスラブ 2コンテナ分の検品のため、アリカンテ地区のダニエルさん手配の賃加工工場を訪問しました。

 

アリカンテ地区では中規模工場です。

 

スラブ加工工程は、

 

ガングソーで30厚挽き

↓

裏面ネット補強

↓

乾燥

↓

表面レジン塗布

↓

乾燥

↓

表面研磨

 

です。

 

さすがに30厚本磨きスラブ2コンテナ(約500㎡)の検品には時間が掛かり、スッタモンダの末、何とか全量検品出来ました。

 

検品した一部のスラブですが、紹介しておきます。

 

『丁場紀行』ヨーロッパ丁場紀行 前編 No.19-2

 

◆今日の業務は終了し、ホテルに戻り、シャワー、写真整理、メール処理、明日の準備をしてウトウトしていたら、ドアがけたたましくノックされ、

 

『寝ているのか? 夕食に行くぞ~~~~。』とダニエルさんの元気な『目覚まし雄たけび』です。

 

『ランチで美味しいパエリアをたらふく食べたので、軽食にしよう。』となり、ホテルから徒歩3分のバルに行きました。

 

『丁場紀行』ヨーロッパ丁場紀行 前編 No.19-2

 

■12月18日(木)

 

今回の出張のミッションは昨日で終了したので、今日は夕方のアリカンテ➡マドリッドのフライトまでクレママルフィル丁場視察し、ダニエルさんが贔屓にしているレストランで昼食を取り、その後はダニエルさん宅の庭でゆったりしました。

 

◆クレママルフィル

 

丁場はバレンシア州アリカンテ県に位置します。

 

日本に紹介されたのは、1980年初期。当初の日本への売り込み名はスペインベージュ or ニューカピストラーノでした。

 

クレママルフィルとは『クリーム色の象牙』という意味で、固有の石種名でなく、総称的なイメージなのです。

 

実際は3タイプあり、コト(本家本元のクレママルフィル)とザフラはノベルダ地区から産出、SP(シェラペルタ)はノベルダ地区から約100kmのムルシア地区から産出されます。

 

日本への紹介当初は非常に安価でしたが、世界的に需要が高まる(特に中国)と同時に丁場が大きくなりました。しかし、生産以上に需要が多いため、価格もどんどん上昇しました。

 

でも、需要はいつまでも続きません。

 

トルコやエジプトで安価なベージュ系大理石が開発されると需要が減少し、2010年初期にクレママルフィルの時代は終焉を迎えました。

 

代表的な施工例は、

 

・東京オペラシティ(東京)

・JRセントラルタワーズ(名古屋)

・大阪市役所庁舎(大阪)

 

です。

 

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◆ダニエルさん御用達のレストランで、少し遅い昼食です。注文はダニエルさんとモレイラさんにお任せしました。

 

『丁場紀行』ヨーロッパ丁場紀行 前編 No.19-2

 

◆フライトまで時間があるので、アリカンテ郊外のダニエルさん宅に招待されました。 広い敷地にプールやBBQ設備まである豪邸でした。

 

 

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■12月19日(金)

 

5時起床、6時にはマドリッド空港に到着しチェックイン。

 

いよいよスペインとお別れです。フランクフルトでの乗継もトラブルなく、予定の便に乗れました。

 

■12月20日(土)

 

定刻で関西空港に到着しました。

 

久しぶりのスペイン出張 『お疲れ様でした~~~~~~~~。』

 

▶次回【第3回】ポルトガルライムストーンを訪ねて につづく

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