『丁場紀行』ヨーロッパ丁場紀行 前編 No.19-4
【第4回】ポルトガルの銘石と世界遺産の街・ポルト
丁場はリスボンより東に約180km(車で約2時間)のESTREMOZ近郊に位置します。
なお、リスボンから丁場に向かうルートは、1582年(天正10年)に天正遣欧少年使節がリスボンからスペインに向かったルートと同じです。
現在の流通は少ないですが、ライトピンク~濃いピンク(サーモンピンク)系の石種で一世を風靡した石種なので、往年の銘石として紹介します。
岩石学では結晶質石灰岩(ビアンコカラーラ、ペンテリコン等と同類)ですが、流通上は大理石に分類されています。
このエストレモス地区及びボルバ地区、ビラビソーサ地区から、白系(ホワイトオーロラ系、エストレモス系)、ピンク系(ローズオーロラ)、グレー系(エストレモスグレー)等の色々の色調の石が採掘されます。
丁場の写真は7年ほど前に入手した写真ですが、どの丁場もかなりの深さまで採掘しており、石種の歴史を感じることができます。
現在は、需要に合わせて採掘は続けているようですが、良材は少ないものの需要はあるため、特に白系の良材は高級材(高値)で取引されています。

◆リオーシュ系(RIOZ系)
リオーシュ、リヨーズ、リオス、リオズなどと称される。
リスボン近郊で採掘される堆積岩は、現地で『RIOZ石』と称され、層(地色、柄、化石の入り方)で区分され、当社ではリオーシュモンテモール、リオーシュラメイラス、リオーシュシャイネット、サンフローリエントローズ等の名称で登録しています。
丁場がリスボン近郊なので、リスボンの古い建物には、装飾材というより建材として、無垢石でいたるところで使用されています。
その例としては、リスボンのベレン地区にある壮大なジェロニモス修道院の石材はほとんどに、この地域の化石の入った石が使用されています。
現在、新たな採用は非常に少ない石種ですが、一時期は世界的に流通しましたので、往年の銘石として紹介します。
10年程前の調査では、細々と採掘しているとの情報でしたが、現在は不明です。
当社に原石在庫がある石種は、HP公開しています。

◆ブランコドマール系丁場視察後にポルトに移動し、ポルト市内を視察しました。
ポルトは、ポルトガルの北西部にある湾岸都市です。
人口約160万人の大都市で、首都リスボンに次ぐポルトガル第2の街です。
そんなポルトは、ポルト歴史地区として街全体がユネスコ世界遺産に登録されています。
今回は有名どころを紹介します。
❶サン・ベント駅
1916年に開業した、世界で最も美しい駅と言われています。
20,000枚ものアズレージョ(青と白のタイル)が特長です。
この建物は、建築家のホセ・マルケス・ダ・シルバが設計し、ポルトガルを代表するアズレージョ作家のジョルジュ・コラッソが制作しました。
サン・ベント駅の外観の一部内部もアズレージョで装飾され、戦いや祭りの様子、交通や汽車の歴史、田園風景などが描かれています。

❷ドン・ルイス1世橋
1886年に完成したドウロ川に架かる橋。
ポルト歴史地区の一部としてユネスコ世界遺産に登録されています。
橋の設計は、エッフェル塔を設計したアレクサンドル・ギュスターヴ・エッフェルの弟子の一人であるデオフィロ・セイリグによって設計されました。
橋の名前は、当時のポルトガル国王のルイス1世にちなんでおり、王は1886年10月31日の開通式にも出席しました。
ポルトの中心部とヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区を結ぶ2階建ての橋で、幅8m、高さ45m、上層の長さは395mと非常に大きな橋で、景色を見ながら歩いて渡りました。
歴史を肌で感じることができました。
昼の景色も美しいですが、夜のライトアップは橋と街の明かりが水面に反射し、幻想的な雰囲気でした。

❸ボリャオン市場
1839年に開設された伝統的な市場です。
(2018年5月から改装工事が始まり、2022年9月にリニューアルオープン)
現地の生活や物価を知るには市場やスーパーマーケットを見るのが一番良いので、興味本位で視察しました。
八百屋さん、魚屋さん、肉屋さんなどの食料品から、花、お土産、日用品、衣料品なども販売されており、カフェやレストランも数店舗ありました。

❹レロ書店(レロ・イ・イルマオン)
1869年創業の老舗書店。
世界で最も素晴らしい本屋を競う世界中のランキングで、何度も上位に選ばれている人気の本屋です。
ネオゴシック調の建物は、技師で実業家のフランシスコ・グザヴィエ・エステーブが手がけています。
一見、木造のようですが鉄筋コンクリートで造られており、繊細な見た目に関わらず非常に丈夫な構造となっています。
店内に入ると最初に目に飛び込むのは、ユニークな形の中央の赤い階段です。
また、アールデコ調の繊細な彫刻が施されたアーチや天井など、階段以外にも見どころが沢山あります。
尚、書店入場は有料(12ユーロ)ですが、書物購入時に利用できるバウチャーになっています。

◆ポルトガルでの料理写真が少ないのが残念ですが、ポルトガルでのミッションは無事に終了し、ホテルにチェックインし、シャワー、写真整理、メール処理、帰国準備をして早めに寝ました。
翌朝は3時起床し、ポルト空港に4時前到着、チェックインして、6時のフライトでフランクフルト経由、9月18日(日)関西空港09:05着で帰国しました。
8日間のギリシャ~ポルトガル出張は無事に終了しました。
▶次回【第5回】ブルガリア産ライムストーンを訪ねて編 につづく


