『丁場紀行』インド丁場紀行 第3弾 2024年12月出張 過酷移動編 No.15-2

■12月12日(木):早朝5時起床、メールをチェックし、朝食は一つ目の丁場で食べる前提でホテルを6時に出発です。初めてのジャイプール地区の丁場を視察。外気は8℃です。ジャイプール地区はインドでも寒いと調べてきましたが、想像以上に寒く感じました。何故だか? 『インドは暑い国』と脳にインプットされているからだと思います。

 

一つ目の丁場まで約100km(車で約2時間半)の道のりですが、車の心地良い揺れに負けてほとんど寝ていました。

地上には御影石の山がない風景でしたが丁場に到着。この地区の丁場はインド南部のように地上に突き出ている御影山でなく、地面より下部を採掘していることが分かりました。

 

① ブラックフュージョン:2022年3月から扱い始めましたが、コロナ禍で丁場視察出来ず、ようやく視察出来ました。

丁場入口に到着したとの事でしたが、見えるのは数本のクレーンだけ。近くに行くと納得出来ました。地上から下部に掘り下げていました。

そうであれば、どのように作業者、見学者を降ろすかと言えば、ダンプカーの荷台を改造したような鉄製のカゴ(写真参照)に乗り込み、クレーンで吊り下げられて約70m下まで降りるのです。この方法での移動は初体験でした。

それも片側は空いていて手すりはなく、枠にしがみつくだけです。ワイヤーが切れたら一発アウト。転落して死亡間違いなし。『今まで転落はなかったのか?』と聞いたら『う~~~~ん。』とだけ。明確な回答はありませんでした。

さて、肝心の石質ですが、黒地に細めで小さめの白雲流れ柄です。硬く艶乗りが良い高級感のある石です。

見本画像は部分的なアップ画像なのでイメージが湧きにくいため、600×600とスラブ画像を紹介します。

採掘開始は2014年。同じ丁場に4社がそれぞれの方向で採掘しています。色柄は4社ともに同じですが、採掘面の部分的に白柄がピンク色になっている場合もあります。

当社は白雲柄を指定し、挽方向は、スラブ画像のように斜め流れを指定しています。

視察終了し待望の丁場朝食ですが・・・・・チャイとクッキーとベビースターラーメン風お菓子のみ。

 

『丁場紀行』インド丁場紀行 第3弾 2024年12月出張 過酷移動編 No.15-2

② ウェーブレッド:2022年1月から扱い始めましたが、この石種もコロナ禍で丁場視察出来ず、ようやく視察出来ました。

2019年から採掘開始の比較的新しい丁場です。黒柄、赤柄のミックスの流れ柄です。丁場は傷も少なく良い状態でした。

柄は平目(ジグザグ柄)と柾目(やや平行のウネリ柄)を楽しむ事が出来ます好みの問題ですが、私はジグザグ柄が良いと感じました。

 

『丁場紀行』インド丁場紀行 第3弾 2024年12月出張 過酷移動編 No.15-2

 

③ ブラックフォレスト:モケシュさん自身が視察したことがないブラックフュージョン風の丁場を見に行こう。そこで丁場ランチを食べようとなり、視察しました。

2022年に採掘開始した新しい丁場で表層付近で採掘しています。色柄はブラックフュージョンに比べると、地色が若干濃く、白柄が若干大きく多く、流れに規則性がない石種だったので扱うには時期早々と判断しました。

視察後には待望の丁場ランチ。メニューは主食のチャパティと野菜カレー、生野菜(玉ねぎ、細い大根?)飲み物はラッシー(ヨーグルトジュース)。味は?と聞かれれば『変な味付けしていないので美味しい。』としか答えられません。

食後は出発時間まで休憩。私は丁場作業者のベッドを借りて昼寝していました。

 

『丁場紀行』インド丁場紀行 第3弾 2024年12月出張 過酷移動編 No.15-2

④ ローズパールブラックダイヤモンド:移動の途中に黒+ピンクのマルチカラーの丁場に寄りました。ブラックフュージョンウェーブレッドの中間的なイメージでした。特に魅力を感じない中途半端な色柄でした。

 

『丁場紀行』インド丁場紀行 第3弾 2024年12月出張 過酷移動編 No.15-2

⑤     ブラックジュパラナ:2020年4月から扱い始めましたがコロナ禍で視察出来ていない状況で『某A工事』の候補になったので視察、調査しました。

現地名は『ブラックマルキナ』、スペインのブラックマルキーナを真似たのか定かでないですが、当社は独自名で『ブラックジュパラナ』と命名した石種です。

同じ地区で12丁場が競うように採掘していますが、モケシュさんの事前調査で一番大きく安定しているG社の丁場を視察、調査しました。

結果は、原石毎の色柄の変化は少なく安定しており、採掘量も豊富で、提出している色柄と同程度の持参した見本とも遜色ないので『某A工事』に自信を持って推奨出来ると判断しました。この丁場も地上より下部を採掘していますが、規模が大きいため、途中までは徒歩で行けます。

その後は、約20mの鉄製ハシゴで底まで下ります。底は水が溜まっていたので、バックフォーのシャベルに乗っての移動でした。

私は何回も経験しているので驚きもビビリもしなかったですが、初体験の各務君はガチガチになっていました。

なんでも経験です。『インドでは生きるも死ぬも運しだい。天に任せて、神様を信じるしかないよ。ホンマ運だけ。まぁ、なるようにしかならんわな。』と各務君に坊主の説法のように言ったら『何を言うんや、このオッサン。』と言いたげな目で見られたような・・・・・ 

 

『丁場紀行』インド丁場紀行 第3弾 2024年12月出張 過酷移動編 No.15-2

 

 

◆今日の視察は無事に終了し、ホテルには19時に到着しました。1日の車移動は約270km、約7時間でしたが、事故なく済んで安堵しました。

予約してくれていたのは郊外のMARICKINOという町にあるリゾートペンションのようなホテルでしたが、シーズンオフなのでガラガラ。

夕食はせっかくだからといって外で食べることになったのですが、外気は8℃位の寒さの中、焚火の横で震えながらの食事はダメダメ。

あまりの寒さで一番美味しかったは暖かいチキンスープでした。部屋のシャワーは『右にひねって5分後にお湯になる。』との説明だったので試したら、いつまで経っても水のままなので、ポットで沸かしたお湯で全身を拭いてしのぎました。

部屋も冷え冷え。もちろん暖房もないので服を着込んで靴下を履いてメール処理と写真整理しました。いざ寝ようとしたら、布団はペラペラシーツと毛布1枚。

おまけに天井のプロペラファンはどのスイッチを押しても止まらないので、冷たい風が体に吹きつけます。

ガタガタ震えながらウトウトしていたら、4時前から近くの寺院で大音響でのお経が始まり、そのお経でその後は不眠です。

5時までベッドの中で震えながら本を読んでいました。12月の寒いジャイプール地区の洗礼を受けた一晩でした。

 

『丁場紀行』インド丁場紀行 第3弾 2024年12月出張 過酷移動編 No.15-2

 

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